日伊の架橋 – 朋・アミーチ

朋・アミーチからのお知らせ

近年、朋・アミーチは自主的な活動より、共鳴する他の団体企画に賛同参加する場合が多くなり、翻訳やヴィデオ製作などの占める割合が高くなりました。
それを反映して本サイトも個々の活動報告ではなく、《成果と資料》や《活動》のページへの掲載を重視する方針です。ご了承ください。


資料と作品のページ「原発関係」に小出裕章氏の声明「フクシマ事故と東京オリンピック」を掲載しました。このオリンピック日本開催反対声明は、2019年2月14日付で各国のオリンピック委員会(205国)に送られたそうです。朋・アミーチは東京オリンピック開催反対の立場を取ってはいませんが、福島原発事故以来、小出裕章氏の現状分析の正しさには信頼を置いています。(2019年2月17日)
朋・アミーチは2017年7月7日国連で採択された核兵器禁止条約全文の日本語訳を探していましたが、朝日新聞社と毎日新聞二社による翻訳は公開期限切れ。日本共産党の赤旗新聞のサイトと原水爆禁止日本会議のサイト上に日本語版を見つけました。読み比べてみた結果、同一のものとみなしました。ここに紹介します。
原水協 
核兵器禁止条約(全文・暫定訳)2017年7月7日採択

福島原発事故の裁判に関して、NHKのこのサイトで公判の模様が細かく報告されています。
NHK NEWS WEB 《詳報 東電刑事裁判》

  福島原発事故後の処理用に使われた汚染水の海洋投棄に関して:現在、100万トンに上る汚染水にはトリチウムだけではなく他の放射性核種を規定以上に含有している事が判明しています。汚染水はトリチウム水のみであることを前提にした、京都大学名誉教授山田耕作氏等のトリチウム水海洋放流反対運動が2018年8月半ばに始まりましたが、朋・アミーチは、賛同しています。

詳細⇒トリチウムを含む福島原発放射性廃液の海洋投棄に反対する決議

核兵器禁止条約の発効を目指して

トリノ市-2018年8月5日~12月12日
12月12日、朋・アミーチが参加しているピエモンテ州核兵器及びすべての戦争とテロ行為に反対する市民と民間及び公共団体のピエモンテ州連絡会議 は2018年最後の企画会議を開いた。7月7日の核兵器禁止条約採決一周年記念日のプレシーディオに関しては既に述べたが、それに続く今年の活動としては、カーザ・ウマニスティカ主催の広島長崎原爆追悼の夕べとイタリア大統領宛の連絡会議からの手紙を届けたことがあげられる。
★夏季休暇の期間だったためか、8月5日に行われた追悼の夕べへの参加者は少なかった。朋・アミーチからは去年と同様に会長の和田千重が原爆鎮魂歌《ある風の記憶》を独唱した。その他、他の団体からの参加者がイタリア語版「サダコ」の一部を朗読するなど、ほぼ去年と同じ形で進行したが、今後に繋がる出来事が一つ。
それは、朋・アミーチが招待したトリノ在住の山田史郎君とアントーニオマルコ・ジェンナーロ君二人が米澤鐵志氏の「ぼくは満員電車で原爆を浴びた」の一部をイタリア語に訳して朗読したことである。上記の二人と朋・アミーチとの間では、子供向けの本としてではなく米澤氏の証言をイタリア人にも幅広く伝えたいと言う気持ちが高まり、実現に向けて努力することになった。
                   
★この連絡会議は、3月4日のイタリア総選挙で「核兵器禁止条約へのイタリア調印に努力する候補者に投票しよう」というキャンペーンを行った。しかし、ピエモンテ州に限られたキャンペーンだったので選出された国会議員はごく少数、また所属政党の方針転換等もあり、それらの議員からのイタリア政府への働きかけを期待することはかなり難しい状況である。
一方、イタリア大統領の政治権力には制限があるが、マッタレッラ大統領は2016年8月5日の演説で核兵器禁止への強い願いを表明している。そこでマッタレッラ・イタリア大統領のトリノ市公式訪問が決まった後、訪問の機会を利用して、連絡会議からの嘆願書を手渡す準備が進められた。そして大統領が11月26日にポーロ・デル・ノヴェチェント訪問をした際に、ポーロ・デル・ノヴェチェント館長であるセルジョ・ソアーヴェ氏によって手渡された。
手紙の差出人団体数は89団体、朋・アミーチもそのうちの一つである。
★マッタレッラ大統領への手紙の準備を進めている時期、連絡会議の支柱の一本でああるセレーノ・レッジス研究所「100年間の平和・1918年~2018・2019」と題されたプロジェクトを開催した。この100年間が平和な時期だとは言い難いが、その中にあって、反戦運動、抵抗運動、環境保護運動は存在し続け現在に至っている事をアピールするための企画。11月2日から30日までの期間中、写真と資料の展示と討論会やフィルム上映など充実した四週間であった。
      
★12月12日
企画会議では、イタリア人が核兵器に全く無関心で現状をどのように打ち破ってイタリア人達にも核兵器の危険性を認識してもらうにはどうすればよいか、が一番の問題になった。実際に危険が起こった後では手遅れである。連絡会議に参加者には、著名な政治家や長い歴史を持つ平和団体や活発な活動をしている環境保護団体も存在している。その中にあって、朋・アミーチの出来ることは文化的活動しかないことを改めて説明した。
他の団体が企画する集会、プレシーディオ、ビラ配りなどには参加するが、朋・アミーチの強みは、直接日本から入ってくる情報である。それをイタリア語に訳して伝える事を徹底して行うことを約束した。また、2016年12月13日、ルイジ・モスカ教授を招待しての広島長崎原爆写真展の閉会イヴェントを開催したが、その時の資料を出席者たちに送った。朋・アミーチでは、その資料を基に制作したヴィデオに手を加えて、新たな核兵器禁止条約のスポット・ヴィデオの制作も検討中である。
一方他の出席者は、連絡会議の資料保存の方法を検討すべきと言う意見が出た。確かにイタリアでの核兵器禁止条約に関する情報は極めて少ない。少ない情報を整理して、簡単に紹介できるシステムを作ろうということになった。
年が明けた1月8日に新たに作戦会議を開くことを決め閉会となった。

福島原発事故による放射性汚染水

東京-2018年10月25日
2018年7月12日共同通信は2011年3月の福島第一原発事故以来増加する一方の放射性汚染水の処分方法として、日本政府が基準以下に薄めて海洋放流する方針であることを報道した。蓄積し続ける汚染水が含有している放射性核種は水から分離できないトリチウムのみと発表。経産省の見解としては、トリチウムの半減期は12年と比較的短い上、薄めれば健康への影響はほとんど無視できるとしている。実質的な危険性からの反対ではなく風評被害を問題としている地元の漁業組合や地元住民からの理解を得るために、8月末には市民からの意見聴衆会を開くとも発表した。
福島原発集団告訴団の原告人、脱原発福島ネットなどの団体、環境保護団体、科学者たちは即反対の意思表明をした。福島原発汚染水の海洋放流に反対する主な理由は、以下の三点に絞られる。
✦山田耕作を世話人とする市民と科学者の内部被曝問題研究会有志及び内部被曝を憂慮する市民と科学者 は海洋投棄の反対理由としてトリチウム水の危険性を上げている。詳細は決議文を参照のこと⇒

✦朋・アミーチは福島の汚染水がトリチウム以外の放射性核種を必ず含んでいると判断した。福島の汚染水は原発の通常稼働で生じるトリチウム水ではないからである。福島第一原発の1号機から4号機までの原子炉四基の冷却装置は地震と津波により停止した。最終的には大量の海水が注入されたが1,2,3号機はメルトダウンを起こす。運転停止中だった4号機の使用済燃料プールには、1331体の使用済み燃料棒を蓄え冷却中であった。現在までに蓄積された100万トンに近い福島第一原発の汚染水とは、メルトダウンを起こした炉心や使用済み燃料棒に触れた水、福島原発事故の処理のために使われた水が多種多様の放射性核種を含有していない筈はない。
現に、2011年3月31日、事故から2週間余りの時点で東京電力は地下水から最高で安全基準の1万倍、430ベクレル/ccのヨウ素131を検出したことを明かした。
しかし、現在では東電側も日本政府も、高精度の機能を持つ浄水装置により、放射性物質は全て除去され、水と同位元素であるため水と分離できないトリチウムだけが残っていると主張する。そこで朋・アミーチは東電のサイトを調べてみた。東電のホームページの記載によると、最新式の浄水装置が稼働し始めたのは、2015年からと明記されている。逆に言えば、2011年3月から2015年までの4年間に使用された浄水設備は完ぺきではないという事。同じく東電のサイトには、2015年以降現在に至るまで何度もあったと言う水の漏えい事故の記載があるだ。つまり、事故処理に使われた後の水の管理さえ出来ていないことを示している。
100万トンに近いタンク内の水には他の放射性核種が含まれているとは朋・アミーチの確信に近い推測であったが、8月半ばに発覚した事実は、大きく推測を超えていた。
2016年以降の処理水は完璧な汚染水処理装置によってトリチウム以外の放射能は完全に除去された筈であった。ところが、処理された水の放射能汚染度はそれ以前のものより高かったのだ。8月末の経産省主催の公聴会に参加した福島原発集団告訴団の団長武藤類子さんや人見やよいさんも福島原発事故の汚染水の海洋放流に強く反対する意見を述べた。地元住民、フリーランスのジャーナリストや脱原発グループの追及のおかげで9月末東電側もそれを認めるに至った。
✦経産省・日本国政府や東電は「風評被害」と言う言葉を頻繁に使う。海洋投棄が問題になるのは、福島漁業組合の漁業海域にとどまり、トリチウムは薄めれば殆ど人体に影響はないので、ただの風評対策を講じればよいという考え方が基盤にある。
少なくとも、これで世論への説明が付くと信じ切っている様だ。
しかし、上記の二点の説明で汚染水が無害でないことを知った。ただ、たとえ福島原発汚染水が有毒液だとしても、それが一か所に厳重に保管されていれば人体への影響を危惧する必要はない。だが地球上の海は一つ、海は繋がっているのだ。福島県の海に有毒水が放流されると、被害をこうむるのは沿岸住民と福島県の海で漁獲された魚を食べる人だけ、などと言う論理が通じるはずはない。
また、海流を考慮に入れれば、福島県沿岸で垂れ流された汚染水は、九州南部に到達するより前にカナダ西岸に到着する。汚染水の放流は、福島県漁民の問題ではなく、世界中に生息する人類を含めた全生物の問題なのだ。
日本政府が福島汚染水の処分方法として海洋放流を選択しつつあると知った後、朋・アミーチは世界中からの反対運動が高まれば、日本政府も断念せざるを得ない、と踏んだ。そして、資料をイタリア語に訳し、これまでにあった放射性汚染水に関するイタリアでの報道を整理して可能な限りイタリアの報道関係者に情報を送った。残念ながら、どの情報機関からも回答も質問もなかった。日本は遠い。日本沿岸の水が地中海まで届くには何か月、何年かかるだろうか。日本人でさえ、福島は遠い他県、ましてやイタリア人にとっては、海路で行けば地球の反対側よりもっと遠い。イタリア人に伝えることをあきらめてしまった10月20日、イタリアの新聞に「日本、何万トンもの放射性液を海洋に放流する方針!!」の見出しで、地元民や中国や韓国台湾らの近隣諸国の環境保全団体が反対しているという記事が掲載された。
それらを読み比べてみると、ニュース源はただ一つ、イギリス日刊紙テレグラフが日本政府内部の関係者からの情報を得て掲載した記事を元にしている事が分かった。テレグラフの報道は、ほぼ正確に現状を伝えている様子だが、殆どのイタリアの報道機関は、各社ごとに簡略化して、汚染水の影響範囲をアジアの日本の近隣諸国にとどめているのである。海流による距離では、台湾はカナダよりはるかに遠いのに、その辺を全く理解していない。空気も水にも国境がないことをなぜ認識しないのだろうか。   海流の動き方⇒
地球上の生物の運命は一つであることを理解してもらうまでの道のりはとてつもなく長いことを実感させられた。(文:和田千重)

核兵器禁止条約採択一周年

トリノ市 2018年7月7日
2017年のノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)・イタリア  は、
「イタリアよ考え直せ、 国連採択の核兵器禁止条約に調印せよ!」の一環としてハガキ作戦をイタリア総選挙前に計画した。いかなる政府が成立するにせよ、イタリアの内閣総理大臣宛に、国民からの絵ハガキを国連で核兵器禁止条約が採択された日に手渡すというもの。

イタリアも日本と同様、この核兵器禁止条約準備の話し合いと採択評決にも参加しなかった。ハガキには2017年7月7日に国連採択された核兵器禁止条約の趣旨の解説、イタリアの条約調印を要求することが記載され、イタリア国民にこのアピールへの署名を呼びかけた。朋・アミーチが参加している核兵器、戦争に反対する市民と団体の連絡会議もこのキャンペーンに賛同し、様々な場所での署名活動が行われた。集められた絵葉書はイタリア・アイカンに6月末に郵送された。
      
採択一周年記念日の2018年7月7日当日にはトリノ駅前でこの条約の重要性を訴えるプレシーディオ行われた。その日は、全国的な組織を持つ他の平和団体が、イタリア全国で地中海で命を失っなった人たちの血を暗示する赤いTシャツ着て移民難民に連帯するアピール行動を計画し、連絡会議もそのキャンペーンにも賛同した。赤い色の服装で核兵器禁止条約の重要性を訴えた。