海外から見た福島原発事故

東京-4月22日     ➡Questo articolo in versione italiana 
練馬区役所北出張所会議室で「新日本婦人の会」練馬支部の企画で勉強会が開催された。テーマは「外国から見た福島の現状」。朋・アミーチから帰国中の和田千重と練馬区民の吉川高子(タカシ)が参加した。
練馬支部長の宮前節子さんが新日本婦人の会の最近の活動報告をした後、2012年11月に東京で収録されたヘレン・カルディコット医学博士の講演会のヴィデオが上映された。続いて、2013年3月、福島第一原発事故二周年にあたり制作されたヴィデオ、小出裕章氏の「福島原発事故経過」を上映。チェルノブイリ原発事故後のテレビ番組の一部をヴィデオ化した市川定夫教授の「天然放射能と人工放射能は違う」も用意されていたが、時間の関係で省略。
この3本は日本語による、あるいは日本語の字幕がつけられているヴィデオで、朋・アミーチによってイタリア語吹き替え版が制作され、当サイトのイタリア語ページに掲載されている。 原発のもたらす弊害、放射能の人体への影響など、当然周知の事実の筈であり、かつ日本発の情報にも拘らず、国内では知られていず、今回の勉強会で逆輸入された形となった。
新しい情報としては、朋・アミーチがヨーロッパの在外邦人脱原発グループから得たヴィデオ▶ 「フランスFR3テレビ「フクシマ・地球規模の汚染へ」 と  ドイツZDF「フクシマの嘘 其の参」二本とも日本語字幕付き)が取り上げられた。外国人ジャーナリストが独自の調査により、また、立ち入り禁止地区に秘かに侵入して取材した材料をまとめたテレビ番組で、今年の3月に公共テレビで放映された。福島県内に据えられた600台の放射能計測器の高すぎる数値を調整するようにと文部省が要請。この計測器の製造元であるアメリカの会社は、計測器は国際基準通りに製造したとして譲らず、結局、輸入販売した日本の業者と文部省との間で裁判沙汰になっている。その間、文部省は、別の計測器を設置。
以下の写真は、校庭に二台の計測器が並んでいる様子と、文部省曰くの「性能を満たしていない」高い数値を表示する計測器と、新しく設置された計器である。
                      
時間の関係からドイツの番組は上映せずに終わったが、仙台湾内泥と海水を採取して調査している京都大学水資源学会の研究員の言葉を伝えた。「日本政府は新しい基準値を設けました。これによると800ベクレル以上が危険と言うことになっていますが、事故前までは、一キロ当たり100ベクレルだったのです。国民が基準値以下だと安心すれば、政府は何もしないで放置しておくことができるのです 」 朋・アミーチも年間の被ばく許容限度1mSVを福島原発事故の一か月後に20mSVに引き上げたことを付け加えた。
新しい情報として、ヨーロッパ共同体の委託の調査団がまとめた日本の放射能汚染度マップも紹介された。これらの情報は、日本国内の正式な情報網では絶対に発表されることはないだろう。日本政府や東電が真実を隠す工作を意図的に行ってきたことを如実に示しているショッキングな内容である。ヴィデオを見た後、討論会に続いた。学校給食では生産地が明確ではないので、牛乳は飲ませないようにしていると言う二人の小学生を持つお母さんや、小出裕章氏のヴィデオでやっと福島で何が起こったかが理解できました、との発言があった。仕事上放射性薬品に関与した吉川は、表面汚染密度が4Bq/cm²(=40kBq/m²) を超えるか、もしくは超える可能性のある区域、例えば放射性薬品を扱うラボなど、は放射線管理区域とされ、外部とは遮断、厳しい規制のあることを説明した。一般人の立ち入り禁止は勿論、立ち入り可能な関係者も、生涯を通して放射線被ばく量を綿密に測定記録する義務があり、その数値を変更することはできない。ところが、ヨーロッパ共同体の調査団の報告によれば、日本国土の9%が放射線管理区域に入れなければならない汚染度であるというのだ。小出裕章氏もヴィデオの中で同じような趣旨の発言をしている。
出席したお母さん方からは、「情報はただ待っていても届くものではなく、正しい情報をこちらから探し出さなくてはいけないことが良く分かりました」と言う意見が出た。最後に、こう言う現状を踏まえた上で、尚且つ前向きに進んで行こうと言うメッセージを持つ、朋・アミーチ制作の「イタリアからの花は咲く」を上映して閉会。