日本滞在日記

東京-2016年3月  ⇒Pagina in italiano
皆さん、こんにちは。テレビ東京の番組「世界!日本行きたい人、応援団」の出演者として僕が日本に招待されるのが決まったのは3月13日。思いもしなかったこの冒険をこれから皆さんに報告します。
トリノを出発したのが19日、翌日20日に到着した成田空港では、既にテレビのロケ隊が僕を待ち受けていた。それから彼らと一緒に行動したびっしり詰め込まれた四日の間に、人生初めての、しかも本当に素晴らしい体験をすることになる。東京に着いて最初に案内された場所は明治神宮。ここで、全ての神社に参拝する前には必ずお清めの儀式をする事を知った。全く幸運なことに、境内で神前結婚式の新郎新婦や参列者たちの行列を見ることが出来たのだ。伝統的な衣装を着た人々の姿は、本当に魅力的だった。続いて茨城県の岩間へ。ここは植芝盛平翁先生が合気道を最終的に完成した場所。翌日、翁先生の直弟子であった何人もの先生方を知ることになった。僕は、先生方の優しさ、動きの優雅さ、絶えない微笑みに魅了されてしまった。ここでは逆に、先生方の方が弟子に対して何かを与えようという必死の姿勢なのだ。この道場で僕は初めて畳の部屋で布団に寝た。日本滞在の最後にここで泊まった時は、床張りの部屋だったが、やっぱり布団で寝ることになる。イタリアでも、布団を買って試してみるつもりだ。岩間での二日間の稽古の後、東京の合気会本部道場で合気道道主植芝守央先生の稽古指導を受ける。現在の道主は合気道の創始者盛平翁の孫にあたる方。
氏から受けた指導も貴重な経験になった。

神奈川県鎌倉へ。東京から西北50Kmのこの魅力的な町は、歴史に裏付けされた武士の薫りでいっぱいだ。1192年、征夷大将軍源頼朝が日本最初の幕府を開いたのはこの地なのだから。鶴岡八幡宮も素晴らしい神社だ。
                    
撮影の仕事が終わった後、僕は一人で、巨大都市名古屋をちょっと見ただけで伊勢市に向かった。東京から鎌倉よりもっとずっと西の海岸にあたる。到着した瞬間、僕は落ち着いて平和な街の空気を感じ取った。そして人々がとても親切なのだ。これは、日本中どこでもそうなのだが、殊にこの町ではそれが強調されているように思う。笑顔、やさしさ、それに食べ物がおいしいこと、、、美味しいお茶と一緒に出されるこの町の名物の赤福、飛び込んで入った最初のレストランで食べたエビのテンプラの美味しかったこと! 伊勢では、何を食べようかと考える余地は全くない。食べ物の方が、勝手に「食べて下さい!」とやってくる。この地で見た神社の何と素晴らしいことか。外宮と内宮を訪ねた。外宮は、駅の近くに取った宿から徒歩で行ける場所にあり、内宮はそこからバスで10分ほど、簡単に行ける。広大な敷地を占める内宮は、神道での頂点にある、日本を創造し、かつ日本の守り神である天照皇大神が祭られている。
伊勢の後は京都へ。ここでは色んな場所に行った。まず金閣寺から始めよう。文字通り金色に輝いている。続いて日本最大かつ有名な枯山水庭園の龍安寺。三十三間堂には、70人の仏師の手によって長い年月をかけて作られた人物大の1000体の仏像が並び、28体の部衆像が前一列に、そして堂内中央には本尊千手観音像が安置されている。巨大な木造の櫓に支えらた清水寺からの京都の町の眺めは格別である。日本では、狐は古くから神聖視されていて、それを祭っているのが稲荷神社。伏見稲荷大社は、その大元の神社で、朱色に塗られた木造の鳥居がいくつも続いて並び、あたかも順路を示す赤いトンネルを通っているような錯覚に陥り、不思議な気持ちになった。
               
まだ見るべき場所は沢山残されていたが、今回は時間が足りなくて諦めるしかない。
京都での滞在は、日本人の友達が京都駅の近くに持っている家を使わせてくれた。
二階建ての家で地面から30㎝の高さの一階は、玄関、居間、寝室、台所、浴室からなり、2階は、いくつかの寝室からなっている。新しい家なのだが、全く日本的な様式で(厳密には京町家造りだと後から教えていただいた)、家の中に坪庭と呼ばれる小さな庭まであり、部屋の開閉は襖と障子、床は畳で布団を敷いて寝る。(布団で寝るのは本当に快適だ!)
京都に泊まった二日目は広島まで行き、ここで一日を過ごすことになる。広島平和記念資料館では、原子爆弾の破壊力を、真実で生の事実になるべく近い形で入館者に示すような工夫がされていた。そこでは、血が凍るような悲惨さも細部に渡るまで省略されてはいなかった。
                    
広島から電車と船に乗って宮島まで行き、海の浸かった真っ赤な鳥居で有名な海辺の厳島神社を参拝。ここ宮島でも、幸運なことに大勢の武将や公家、白拍子や物詣、僧侶からなる「清盛公行列」にぶつかった。この地の名物、美味しいもみじ饅頭、地方特産のカキを使ったカキフライを試食‼
      
次の日は奈良へ。旅行者を最初に歓迎してくれるのは大勢の鹿たち。日本で一番大きな高さ15メートル銅製の仏像が安置されている東大寺へ。大仏の大きいのには、びっくりした。
      
僕は合気道の稽古ために再び岩間に戻り、そこで二日間の日本滞在を続けた後、また東京へ。最終日には、東京国立博物館に入り、国宝、重要文化財の展示を見た。そして、外国人向けの土産屋が並ぶ浅草でのショッピング、そして再び上野公園での散歩で一日を終えた。そこは露店が並び、様々な種類の食べ物をその場ですぐに用意してくれる。ピクニックをしている人たちと大勢の人波。ここで僕は桜の花を満喫した。桜の花、日本の象徴である桜の花。花見とは、通り過ぎる人々の空を何百何千枚のピンク色の花びらが覆い尽くすことで見せる、目のためのショーであり、精神のための娯楽でもあるのだ。
      
最後に、日の本の地とは、豊かな伝統、豊潤な味覚、微笑みと思いやりに満ちた地であり、ここでは現代と過去が調和しながら共存している、是非行って見物、訪問すべき美しい国、それが日本なのだ。 (原文伊語:アレッサンドロ・マッジョリーノ 2016年4月3日トリノにて)