トリノ国際ブックフェア 2017

トリノ市ー2017年5月18日~22日  ⇒ Versione in italiano di questo articolo

5月22日、トリノ市で開催された国際ブックフェア「第30回サローネ・デル・リーブロ」が大成功の裡に終了した。今年のテーマは「境界線を越えて」。展示場であるリンゴットへの入場者数は14万人を超え、並行して行われたトリノ市内での催し物への参加者数も2万5千人に上った。トリノ市のブック・フェアに出展した出版社の売り上げ高も、昨年より20%~30%増とのこと。しかし、これらの記録更新は予測されていたわけではない。
大手出版社、モンダドーリ社と近年その傘下に入ったエイナウディ社がトリノのブックフェアをボイコット、ミラノ万博開催跡地のフィエーラ・ミラノ・ローで4月に開催された「第一回テンポ・ディ・リーブリ」の方だけに出展したからである。ミラノとトリノの距離は筈か150Km 、両ブックフェアを隔てた期間も4週間。ミラノのブックフェア開催の話が持ち上がった昨年7月以来、二つの都市の間で、イタリア政府文化省大臣をも巻き込み交渉が続けられた。*一つのブックフェアとしてミラノとトリノで同時開催、*ミラノのブックフェアは、トリノと時期を大幅にずらすこと、等の案がだされたが、ミラノ側は譲らず、結局二つの国際ブックフェアがイタリア国内の隣接した二つの都市でほぼ同時に、しかも別々に開催されたのである。例えるなら、横浜で29年間続いていた国際イヴェントを、東京が同じ内容で一か月前に開催したようなもの。どれだけの来場者を期待できるか、トリノ側の運営陣は、相当頭を痛めたはずである。 ところが、ふたを開けてみるとミラノは大きく期待を下回ったのに反し、トリノ市はサローネ関係者だけではなく、地方自治体、一般市民も意地を見せ、第30回サローネ・デル・リーブロは輝かしく幕を閉じた。
        
出版社展示会場のリンゴットでも、著名な作家を招いての多数の討論会が企画されただけではなく、個々の展示場で独自のイヴェントが提案された。
日本の音楽のみをレパートリーとする音楽グループ大和音(ヤマト・オ)はこのサローネ・デル・リーブロのイタリア合気会のスタンドでミニ演奏会を開く機会に恵まれた。このイタリア合気会は、植芝盛平翁が創始した武道「合気道」を守り育て世界に広めていくために設立された公益財団法人合気会」のイタリア支部。
                    
この団体がトリノ国際サローネ・デル・リーブロに出展するのは、今年で3回目。サローネ・デル・リーブロの開催期間中、イタリア合気会のステンドでは、合気道のデモンストレーション、子供たちのお試し体験、イタリア合気会の出版物の紹介、トリノ近郊の道場の案内などが行われた。会場は、創始者植芝盛平翁の写真、居合刀、合気道五段のジャンナ・アリーチェ作の折り紙が飾られていた。このジョヴァンナさんは、独自の折り紙を考案し、おりがみ会館から何度も講師として招待されている。
                    
大和音(ヤマト・オ)は、土曜日20日に、普段のハッピ姿とは違った写真の通りの衣装で演奏した。イタリア合気会のサローネ・デル・リーブロ出展の責任者であるアルベルト・レイス四段の希望によるもの。
また、朋・アミーチの和田千重が希望者に日本語で本人の名前を書く作業を担当した。演奏後、イタリア合気会関係者だけではなく、ヤマト・オのメンバーも総動員でステンドへの来訪者たちからの質問に答えていた。レイス四段は、来訪者の合気道への関心の高さに満足、来年は今年以上に立派なステンドにしたいと語る。陰のお手伝いをした朋・アミーチ関係者もイタリア合気会のスタンドの成功に寄与できたと大喜び。最後に飛び入りの観客を交えての写真撮影で終了した。

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